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(7）青い教会、そしてベラ・クルースへ
ペロウリーニョ広場の下の方に青い教会がある。ホザーリオ・ドス・プレートス教会という。 これは黒人奴隷達が自分たちで建てた教会だそうだ。  ペロウリーニョ広場と青い教会 この教会の聖堂に入ったとたん、なぜだかわからないがなにか胸からこみあげてくるものがある。 いったいなんだろうこの感情は。。。？悲しみ？抑圧？ 次の間に行ってみると、そこにはブラウスを着ている黒人女性の肖像画が飾られていた。 美しい女性。しかし、その口に猿ぐつわをはめられている。下に「エスクラバ（奴隷）・アナスタシア」と書かれていた。 この女性はどんな人だったのだろう？興味がわいて係員に尋ねてみた。 アナスタシアは黒人であるゆえに奴隷であったが、とても美しく、またとても聡明な女性だった。 とても頭が良く、言葉（ポルトガル語）をすぐに覚え、いろいろなことを仲間に語った。 それで、主人（白人）は彼女に話す事を禁じたのだという。 説明係は私を教会の裏手の庭に連れて行った。 「彼女はこの下に眠っています。」彼は庭に埋められた石を指し示す。 聖堂に入ったときに、嗚咽のようなものを感じたのは「エスクラバ（奴隷）・アナスタシア」の気持ちだったのだろうか・・ 話してはいけない、表現してはいけない、、、そういう、抑圧された悲しみだったのだろうか・・ いつだったか私の夢の中にするりと入り込んできて、「Dark Skin」という曲のメロディーになった、あの感情。。。 黒い肌に生まれたゆえの、人間であることの悲しみ。 音を聴く♪ Dark Skin/ Sumiko Fukatsu （アルバム"Catch A Rainbow"より） ＊ ＊ ＊ 夕方、Museo da Misericordaという博物館に行った。 館内のガイドの人がつきっきりで説明をしてくれた。 写真を撮ろうとしたら館内の写真は撮ってはいけないが、窓の外の景色なら撮っていいですよと言う。 そして、海の向こう、対岸に見える地を指して、彼女は「あれが、ベラ・クルーズです。」と言った。  「ベラ・クルーズ！」 ミルトン・ナシミエントの作った曲のタイトルである。 じつは、私はこの曲を演奏するとき、いつも「ベラ・クルーズっていったい何だろう？」と思っていたのだ。 「あれがベラ・クルーズなの？」 私が興味を示したら、彼女はベラ・クルーズ（イタパリカ島）への行き方を紙にていねいに書いて説明してくれる。 １、下町に行くエレベータを降りる。 ２、市場の中を通り抜ける。 ３、青い建物でチケットを買う。 ４、船着き場へ行く。 英語が得意でない彼女がとても一生懸命に教えてくれる。それで、私は翌日イタパリカ島へ行く事にした。 それに、ベラ・クルーズという名前にも引かれて。。 つづきへ バックナンバー（１）ショーロの家 |